
抹茶ラテが好きな人は特に女性に多いかもしれませんが、実は美白や美肌といった美容にも役立つ飲み物です。
緑茶が健康にいいというのはよく知られていることですが、抹茶は茶葉の粉末なので緑茶の栄養成分が含まれますし、水に溶け出さない美肌に役立つ成分も摂取することができます。
美容や健康のためには通常の食事が基本にはなりますが、休憩や食事の後などに抹茶を飲むことでシミやシワを予防して美肌に役立つ栄養成分を手軽に摂ることができるのです。
なぜシミができるのか
女性なら肌にシミができる理由についてよく知っていると思いますが、簡単に説明すると紫外線によってできたメラニン色素が皮膚に沈着するためです。
表皮の基底層にある色素細胞のメラノサイトがメラニン色素を合成します。これによって紫外線を吸収し肌を守る働きがあるため、害があるわけではありません。
肌を守る役割があるメラニン色素ですが、通常はターンオーバー(皮膚の新陳代謝)によって押し上げられ剥がれ落ちていきます。
しかし、紫外線を浴びすぎてメラニン色素が過剰にできたり、何らかの理由でターンオーバーが乱れると、表皮に沈着してしまうわけです。
美肌に役立つ栄養素
シミを防ぎ美肌づくりに重要な栄養素としてビタミンA、C、Eがあります。
まとめてビタミンACE(エース)と呼称されたりしますが、それだけ重要な栄養素なわけです。
各種ビタミンについて簡単に説明します。
ビタミンC
シミになるのを防ぎ美白効果のある栄養素がビタミンC です。メラニン色素の沈着を抑える働きがあり、シミができにくくなります。すでにできたシミの脱色作用もあります。
メラニン色素はドーパキノンがたくさん集まって形成されますが、ビタミンCはドーパキノンを還元するためメラニン色素の生成を抑えることができます。
さらに、すでにできたメラニン色素を黒色をした酸化型から無色の還元型に戻す働きがあります。
こうしてビタミンCは美白効果を発揮するわけです。
また、ビタミンCは肌の弾力やハリを保つうえでも重要な働きをします。それはコラーゲンの生成を促進するからです。
肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」という構造で成り立っていますが、真皮の中心部分を担っているのがコラーゲンであり、ビタミンCはその生成を促します。
真皮がよい状態であれば肌の弾力を維持できますが、逆にビタミンCが不足してコラーゲンが十分につくられないと、肌のシワやたるみに繋がってしまいます。
ビタミンA
ビタミンAは、肌のターンオーバーを活発にして美肌に役立つ成分です。皮膚だけでなく目や粘膜を健康的に保つ働きがあります。
また、肌のヒアルロン酸を増やして肌にうるおいを与え、ハリや弾力を保つのに役立ちます。シミだけでなく肌を柔軟にしてシワの改善にも繋がります。
ビタミンAは脂溶性のため過剰に摂取すると肝臓に蓄積し副作用の心配があります。通常の食事では心配ありませんがサプリメントを使用する場合は注意が必要です。
なお、ビタミンAの一種であるβ-カロチンの場合、体内で必要量だけビタミンAに変換されるので問題ありません。
ビタミンE
ビタミンEは、紫外線を肌に浴びてできる活性酸素を除去して、抹消の血行促進効果も期待できるため、美肌作りに役立ちます。
美肌以外にもビタミンEの持つ強い抗酸化作用により、老過酸化脂質の生成を防ぐ働きがあり、細胞の老化を防ぐため「若返りのビタミン」とも呼ばれます。
血液中のLDLの酸化を防いで酸化LDLになるのを防ぐため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病にも良いので、シミやシワ対策だけでなく積極的に取りたい成分です。
脂溶性のビタミンですが排泄されやすいため通常の食事では過剰症の心配はかなり低いです。
抹茶の美肌、美白効果
抹茶には肌によい栄養素であるビタミンA、C、Eが豊富に含まれています。
さらに抗酸化作用や脂肪燃焼促進作用のあるカテキンや加齢と共に減少するコエンザイムQ10も含まれておりさらに美容に対して効果が期待できます。
ビタミンACE全部入り
抹茶には美肌に役立つ栄養成分であるビタミンA、C、Eがどれも豊富に含まれています。
ビタミンAは過剰症の心配のあるレチノールではなく、β-カロチンです。体内で必要量だけ変換されるプロビタミンAのため、安心です。変換されないβ-カロチンはそのまま抗酸化作用を発揮します。
抹茶に含まれるビタミンCは含有量が豊富。抹茶100gのビタミンCは60mg含まれています。ただし、注意点もあり後述します。
ビタミンEは脂溶性。茶葉の浸水液である緑茶には含まれませんので、茶葉の粉末をまるごと飲む抹茶ならではの栄養素です。
強い抗酸化作用のカテキン
緑茶に含まれるカテキンはもちろん抹茶にも含まれています。茶葉粉末をまるごと飲む抹茶で豊富なカテキンを摂ることが可能です。
カテキンの健康効果はたくさんありますが、特に強い抗酸化作用が挙げられます。その効果はなんとビタミンCの80倍、ビタミンEの20倍といわれます。
強い日差しで紫外線を肌に浴びると活性酸素ができますので、ビタミンACEに加えてカテキンの抗酸化作用で一層の美肌効果が期待できるわけです。
コエンザイムQ10
実は抹茶にはコエンザイムQ10も含まれています。一時期ブームになったので知っている方も多いと思いますが、コエンザイムQ10は強い抗酸化作用があり、エネルギー生産に必要不可欠な成分です。
細胞のミトコンドリアがエネルギーを生み出すにはコエンザイムQ10が必要です。コエンザイムQ10は体内で合成できるものですが、加齢と共にかなり減少することが知られています。
食事で摂取できるコエンザイムQ10はごくわずかで5mgほど。若いうちはまだしも、年齢を重ねてくると食事だけではとても足りなくなるわけです。
エネルギーが不足するということは細胞が十分に働かないということですから、肌にも影響してきます。
煎茶に含まれるコエンザイムQ10は100gあたり9mgほどです。コエンザイムQ10が豊富な食材のイワシでも100gあたり6.2mgになります。
コエンザイムQ10は脂溶性のため水に溶け出しにくいので茶葉を飲む抹茶であればずっと多く含まれていると考えられます。
抹茶のデメリット
抹茶のメリットを挙げてきましたが、気をつけて欲しいデメリットもあります。
1杯あたりの含有量
抹茶は1杯あたり2~3g程度を使用します。湯量としては80ml程度。
100g換算では他の食品より栄養成分の含有量が多くても、実際に日常的に摂取するとなると思ったほど摂取できない栄養素もあります。
例えば、抹茶で多量のビタミンCを摂るのは難しいです。ビタミンCの含有量は、抹茶100gあたり60mgですので、1杯に換算すると1.2~1.8mgになります。
ビタミンCの1日の目安量は100mgですので、抹茶だけで補うのは厳しいといえます。通常の食事で摂取しつつ抹茶で下支えするというのが基本になります。
カフェインが多い
カフェインが脳の神経に影響して覚醒させる作用があることはよく知られています。眠気覚ましや気分をシャッキリさせたいときにカフェインが含まれているコーヒーを飲んだりしますよね。
実は抹茶はコーヒーと同じぐらいのカフェインが含まれています。抹茶100gあたりカフェインは3.2g、抹茶1杯2gに換算すると64mgです。
カフェインは覚醒作用により集中力や注意力を増したり、運動能力の向上、脂肪代謝の促進といったメリットも多いですが、大量に摂取すると不眠、不安、吐き気、けいれん、不整脈などが起こる可能性があります。
特に妊婦さんや妊活中の方は毎日300mg以上のカフェインを摂取すると胎児への悪影響が懸念されます。それについては厚生労働省の食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてをご覧ください。
ちなみに抹茶にはテアニンという成分が豊富に含まれていて、カフェインの興奮作用をマイルドする働きがあるため、妊婦さん以外ならよほど飲みすぎない限りメリットのほうが多いでしょう。
抹茶のデメリットをカバーする方法
抹茶のメリットを生かしつつデメリットをカバーするには、抹茶単体で飲むだけでなくアレンジする方法があります。
抹茶にレモンを加えてビタミンCを追加したり、アーモンドミルクで抹茶ラテにすればさらにビタミンEも摂取できます。
アレンジレシピが面倒なら、栄養入り抹茶カプセルを使う方法があります。ネスレが販売している抹茶カプセルには、各種ビタミンが配合されていますの美肌に相乗効果も期待できます。
ドルチェグストというカプセル式コーヒーマシンを使って抽出するのですが、カプセル式のため新鮮な茶葉の抹茶を簡単に淹れることができます。圧力式マシンのため抽出すると泡立つので茶筅とかも不要です。
栄養入り抹茶カプセルは一般販売されていないのでネスレ ウェルネスアンバサダー(カプセル定期購入サービスです。マシンが無料で使えるのでオススメ)に申し込む必要があります。
まとめ
抹茶はカテキンやビタミンACE、コエンザイムQ10といった抗酸化物質が含まれており、美肌だけでなく健康維持という面でも積極的に飲みたいスーパーフードです。
美肌効果を最大化したい場合はビタミンCが抹茶1杯あたりだと少ないので、もっと補充するには対策が必要ですが、ビタインA、C、E、コエンザイムQ10は協力関係にあり相乗効果が期待できるのがメリット。
たとえば、活性酸素から細胞膜を防いで壊れたビタミンEをコエンザイムQ10は再び抗酸化力のある状態に復元してくれるのです。
浸出液である緑茶には脂溶性の成分は溶け出しませんから抹茶ならではの美容効果が期待できるというわけです。