脂肪燃焼を促進する抹茶のダイエット効果

抹茶は強力な抗酸化作用がある成分が豊富に含まれており、スーパーフードとして人気です。

それだけでなく脂肪の燃焼を促進する効果がありダイエットにも効果的に働きます。中性脂肪を減らしたいメタボなおじさんはもちろんダイエットとアンチエイジングを両立したい女性にも役立ちます。

抹茶に含まれる成分のなかでダイエットに効果的なのが「カテキン」と「カフェイン」です。抹茶は両方とも含有量が多く、特にカテキン(エピガロカテキンガレート)は抹茶や緑茶にしか含まれていません。

抹茶さえ飲めばやせるわけではありませんが、食事や運動を改善しつつ併せて飲むことで強力にダイエットをサポートできるはずです。

抹茶に含まれるダイエットに効果的な成分

カテキン

カテキンというとペットボトルの「ヘルシア緑茶」を思い浮かべるのではないでしょうか。メタボやダイエットのためにせっせと飲んでいる人も多いと思います。

カテキンには糖の吸収を抑える働きがあります。消化酵素のアミラーゼはデンプンなどをブドウ糖として吸収できるように分解しますが、カテキンはアミラーゼの働きを阻害します。分解されなかったデンプンはそのまま大腸に送られます。そして乳酸菌、ビフィズス菌といった善玉菌エサになるため、腸内環境の改善にもつながります。

また、カテキンには脂肪の吸収を抑える働きもあります。摂取した脂肪は、胆汁で乳化され膵液に含まれるリパーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解されて吸収されます。カテキンは胆汁による乳化を阻害するので、結果的に脂肪の吸収を抑えることができます。

花王による動物実験で高脂肪食とカテキンを一緒に与えた結果、内臓脂肪の増加が抑えられた研究結果があります。さらに、ヒトを対象にした高濃度茶カテキンの長期摂取による体脂肪低減効果においても、12週間にわたって高濃度茶カテキン588mgを摂取したところ、体重が平均1.3kg減少し、71.8%以上で体重0.5kg以上の減少が認められたそうです。

体重減少量から換算すると1日あたり100キロカロリーの消費エネルギーの増加になります。以外に少ないように感じますが、100キロカロリーは10~15分のジョギングに相当します。毎日ジョギングするのも大変なのでバカにできないエネルギー消費量です。

特別な運動は何にもせずに日常生活を送る環境下での実験ですから、食事内容に少し気をつけたり、軽い運動をすることでさらにダイエット効果が期待できるわけです。

カフェイン

カフェインは脳の中枢神経に作用して覚醒効果があることは知られていますよね。眠気覚ましにコーヒーを飲んだりします。

カフェインには興奮、覚醒作用だけでなく脂肪の燃焼を促進する働きもあります。有酸素運動では20分以上続けないと脂肪が燃焼しにくいといわれます。しかし、カフェインを摂取して有酸素運動をすると糖質より優先的に脂肪が消費されてエネルギーになります。

脂肪には白色脂肪と褐色脂肪があります。白色脂肪は脂肪をひたすら蓄える一方、褐色脂肪には脂質を燃焼する働きがあります。カフェインは褐色脂肪に存在するサーモゲニンというタンパク質を活性化するため、脂肪がより燃えやすくなるのです。

それは短時間の有酸素運動でも脂肪をエネルギーとして消費しやすいということです。軽い運動でも十分ダイエットに効果が期待できるわけです。

それに運動時間は連続して20分以上でなくても効果は同じといわれます。朝晩10分づつでも有酸素運動の効果は期待できます。カフェインを摂取した後に運動を行えばさらに効率的といえます。

ダイエット効果を期待するならカフェインは100~150mg程度が目安です。運動の20~30分前に摂取すると効果的です。一日の活動前といえる朝に摂取することもオススメです。

ただし、カフェインの大量摂取には要注意です。一般的に500mg以上摂取すると不整脈や震えなどの症状が現れることがあります。特に妊婦や妊活中の方は胎児への悪影響が懸念されるのでカフェインは避けたほうがいいでしょう。

抹茶ダイエットが効果的な理由

相乗効果

抹茶にはカテキンとカフェインがどちらも豊富に含まれています。それぞれ作用の仕方は異なる形で脂肪の燃焼を促進するため、どちらか単体で摂取するよりもダイエット効果が期待できるわけです。

テアニンによるストレス太りを防ぐ

抹茶にはテアニンという成分が豊富に含まれていてストレスに効果的です。テアニンには脳波をリラックス状態を示すアルファ波に誘導することが分かっています。

抹茶を飲むとゆったりした気分になるのはこのテアニンのおかげ。テアニンはうまみ成分でもあるのでおいしい抹茶を飲むこと自体、ストレス解消に役立ちます。

ストレス解消でドカ食いしてしまう習慣があるなら抹茶がオススメです。

抹茶は栄養成分を全部摂取できる

お湯で浸出する緑茶では6割程度も栄養成分が茶殻に残ってしまいます。さらにお湯に溶け出さない成分はほとんど摂取することができません。

抹茶にはダイエットに効果的なカテキンやカフェインのほかにも、抗酸化作用のあるビタミンE、β-カロチン、コエンザイムQ10も含まれています。これらは脂溶性なのでお湯には溶け出しにくいのです。

茶葉の粉末である抹茶なら食物繊維も摂取することができますので、抹茶を飲むことでダイエットだけでなく抗酸化、アンチエイジングにも役立ちます。

美肌や美白にも役立つ

ダイエットというとやせることだけが単純化されがちですが、本来は美しくなるためにやせたいわけです。

抹茶には美肌や美白にも役立つ成分が含まれています。メラニン色素を抑えるビタミンCやターンオーバーを活発にするビタミンA(β-カロチン)、強力な抗酸化作用のあるビタミンEといった成分が含まれています。

カテキンも強い抗酸化作用があり、抹茶に含まれているカテキンの一種であるエピガロガテキンガレートにはビタミンCの80倍、ビタミンの20倍の抗酸化力があるといわれています。

紫外線にあたることで活性酸素が発生してシミやシワの要因になりますので、抹茶の強力な抗酸化作用は美容にも効果的というわけです。

おいしく飲める

なにより抹茶はおいしいというのが大きなポイントです。緑茶ではカテキンをしっかり抽出しようとすると渋めのお茶になってしまいますが、抹茶はうまみ成分であるテアニンが豊富なので飲みやすいといえます。

カロリーは高くなってしまいますが抹茶ラテにしてもいいですし、抹茶ヨーグルト、抹茶プリン、抹茶パンなど飲み物としてだけでなく食事やスイーツにアレンジして取り入れやすいといえます。

おいしくないと続かないので習慣にして活用するという点でも抹茶は便利です。

ダイエット効果を発揮する抹茶の飲み方

タイミング

日常生活に取り入れてダイエットに生かすなら抹茶を朝食事に飲むのがオススメです。一日の活動前に飲むことで脂肪を燃焼しやすくなりますし、余分な糖や脂肪の吸収を抑えるのにも役立ちます。

有酸素運動をするなら運動の20~30分前が効率的です。おおげさな運動でなくても散歩や軽作業といった前にも飲むことでもいいでしょう。

飲む量

抹茶を1日2~3杯飲むことで脂肪代謝を促進してダイエットに役立ちます。抹茶1杯あたり2g程度で湯量は80mlです。

これでカテキンはダイエット効果が出やすい500mg以上摂取できます。カフェインは抹茶1杯あたり64mg含まれているのでダイエットには十分な量です。

食事と一緒に摂りやすい少ない杯数で済むので習慣化しやすいです。緑茶みたいにがぶ飲みしなくてもいいのもメリット。

注意点

特定の栄養成分や食品がダイエットに効くというと大量摂取する人がいますが、たくさん抹茶を飲めば効果が倍増するわけではありません。

抹茶1杯でコーヒーと同じぐらいのカフェインも含まれていますので、一度に大量摂取するとカフェイン中毒になりかねませんのでご注意ください。

まとめ

抹茶がダイエットに効果的といって抹茶ラテを飲もうとする人がいるかもしれません。おいしいですからね、抹茶ラテ。

でも抹茶ラテは牛乳と砂糖を使いますのでカロリー高めで170~180kcalあります。生クリームでフラッペにしようものなら300kcalを超えてしまいます。

抹茶のみなら1杯6kcalしかありませんのでダイエットに生かすなら何も加えず抹茶を飲みましょう。