
抹茶は茶道に関心がなくても抹茶ラテや抹茶スイーツといったかたちで日本人の身近にあります。
抹茶はおいしいだけでなくスーパーフードとしてその健康効果や美容効果が注目されており、日本よりむしろ海外で評価されているようです。
日本で簡単に手に入る抹茶の健康効果について知らないのは損!ということで、主要な効果・効能についてまとめてみました。
抹茶とは
碾茶(てんちゃ)を石臼あるいは粉砕機で粉末状にしたものが抹茶です。
茶葉を日光から遮って育て、茶葉を蒸して揉まずに乾燥し、茎や葉脈などを取り除いたものがてん茶になります。
緑茶と違って日光を遮ることで、旨みのもとになるテアニンが渋み成分のカテキンに変化するのを防ぎます。
あえて被覆せずに日光にさらして適度な渋みをもたせた茶葉を抹茶スイーツやアイスクリームの原料として使うこともあるようです。
抹茶の主要な効果・効能
抗酸化作用
抹茶に含まれるカテキンはポリフェノールのひとつで強い抗酸化作用があります。
そのため、活性酸素を除去してアンチエイジングやがん予防に効果が期待できるほか、LDLコレステロール値、脂肪の吸収を抑える働きがあります。
また、カテキンのほかにも抗酸化作用に優れたβ-カロテンやビタミンCなども豊富に含まれているため、強力な抗酸化作用が期待できます。
美肌効果
肌の美しさに欠かせない栄養素がビタミンC。シミができる原因になるメラニン色素の生成を抑えるため美肌効果を期待できます。
抹茶に含まれるビタミンCは100gあたり60mg。1日の推奨量が100mgですので十分な気がしますが、抹茶1杯あたり2g使用のため実際には1杯あたり1.2mg程度にしかなりません。1日3杯飲んでも3.6mgですので気持ち上乗せ程度になります。
なお、抹茶に含まれるビタミンCは熱で壊れにくいため、ホットで飲んでも問題ありません。
また、抹茶にはビタミンCだけでなくビタミンA(β-カロテン)も豊富に含まれます。ビタミンAは肌のうるおいや弾力を保つうえで重要な栄養素。皮膚の上皮細胞の入れ替えを促進するので美肌に役立ちます。
β-カロテンは体内で必要なぶんをビタミンAに変換されるため過剰症の心配もありません。ビタミンAに変換されないβ-カロテンは体内に蓄積されて抗酸化作用を発揮。カテキンの抗酸化作用とあわせて効果が期待できます。
リラックス効果
抹茶の旨み成分として欠かせないのがテアニンというアミノ酸です。テアニン以外にもアミノ酸が含まれていて旨みの要因になっていますが半分以上はテアニンになります。
テアニンを摂取するとリラックスしたときにでる脳波であるアルファ波が増加することが知られています。また、脳の神経細胞を保護する効果もあります。
抹茶には興奮作用のあるカフェインも多く含まれていますが、テアニンには興奮作用に対して抑制する働きもあるので、適度な覚醒作用として働きます。
むくみ解消効果
むくみは余計なナトリウムや水分で細胞が膨れている状態です。
カリウムはナトリウムを排出する働きがあり、むくんでいるときはナトリウムを細胞外に排出することで、むくみ解消を期待できます。
また、カリウムとナトリウムは一定のバランスを保ち血圧の調節をしているので、高血圧の予防としても有効といわれています。
抹茶100gに含まれるカリウムは2700mg含まれています。抹茶1杯(2g)に換算すると54mg程度になります。
カリウムは通常の食事で十分摂取できますが、むくみがあるときは上乗せするつもりで、食事や休憩時に抹茶を飲むのがおすすめです。
便秘解消効果
茶葉を粉砕して飲む抹茶には食物繊維が豊富です。便秘解消にも効果が期待できます。
食物繊維が足りないとカサが少ないため排泄しようとする蠕動運動が起こりにくくなりますが、浸出液である緑茶では食物繊維はほとんど含まれていません。茶葉を粉砕した抹茶であれば不足しがちな食物繊維を補うことができます。
抹茶には100gあたり39g程度の食物繊維(水溶性食物繊維は7g、不溶性食物繊維は32g)が含まれています。
抹茶1杯あたりに換算すると、食物繊維は0.78gほどです。
ダイエット効果
抹茶に含まれるカテキンやカフェインには脂肪燃焼をサポートする効果があります。
カテキンは脂肪燃焼だけでなく糖の吸収を抑える効果、カフェインは特に内臓脂肪の燃焼を促す効果があるため、ダイエットだけでなく生活習慣病の予防としても期待できます。
ただし、何もしなくても脂肪が燃焼できるわけではないので、エネルギーとして消費するために、1日の活動を始める朝や運動前に飲むのがおすすめです。
1日何杯飲めばいい?
抹茶を飲料として飲む場合、1杯2g(小さじ1杯ぐらい)として1日1~3杯が目安です。
ダイエット効果や免疫力を高めたい場合、カテキンは1日約1gほど摂取したいので、抹茶3杯がおすすめです。
飲むタイミングとしては、一日の活動前や運動前、脂肪の吸収を抑える働きを期待して食事と一緒にといった飲み方がいいと思います。
ただし、抹茶にはカフェインも豊富ですので飲みすぎには注意。抹茶1杯2gだとコーヒー1杯程度と同じぐらいのカフェイン量になります。
また、血液凝固作用のあるビタミンKも抹茶には多く含まれているため、血栓治療薬などを飲んでいる方は注意が必要です。
まとめ
抹茶は海外でもスーパーフードとして認識されているようで、アメリカの健康系オンラインショップのiHerbでも取り扱いがあります。
スーパーフードにはアサイーやチアシードなどが知られていますが、海外じゃないと手に入らないものもあります。
その点抹茶は日本人に馴染みが深く簡単に手に入りますから、食生活の一部として取り入れてみるといいのではないでしょうか。