牛乳パックをそのまま使ってヨーグルトを簡単に自作できる「ヨーグルトファクトリープレミアム」を買ってみました。ヨーグルトメーカーでは細かい温度調節が可能な「ヨーグルティア」が定番ですが、内部容器を消毒するのが面倒そう(といってもレンジで加熱するだけみたいですが)なのでこれに。
TO-PLAN ヨーグルトファクトリープレミアム

Amazonのヨーグルトメーカーカテゴリでベストセラー1位になっているTO-PLANの「ヨーグルトファクトリープレミアム TKSM-016」。価格は3000円程度でリーズナブル。プレミアムでないやつもあるのですが、そっちのほうは8Wしかなく冬場はパワー不足のようです。なので、30Wあるプレミアムにしました。

ヨーグルトファクトリー本体、計量カップ(50ml)、取り扱い説明書。操作方法は、電源スイッチとカスピ海ヨーグルトとプレーンヨーグルトの切り替えボタンのみ。

プラスチックカバーをあけるとこんな感じで非常にシンプル。スペースは牛乳パック1本分のみ。豆乳とかでよく見かける長方形のパックは入りません。

取り扱い説明書にはヨーグルトの作り方が記載されていますので、これを読めばすぐに作り始めることができます。
明治プロビオR-1でヨーグルトを作ってみた

実際にヨーグルト自作にチャレンジということで、「明治おいしい牛乳(成分無調整)」「明治プロビオR-1ヨーグルト砂糖0」で作ってみました。かき混ぜ用に柄の長い「ヨーグルスプーン」も同時購入。ヨーグルトスプーンは熱湯消毒しました。

まず種菌になるR-1ヨーグルトをかき混ぜてドロドロにします。

牛乳パックを全開にします。取説に書いてあったのでそのとおりにしましたが、別にあけぐちだけ開けても問題ないです。全開にしたほうが種菌を入れてかき混ぜやすいだけ。

このように種菌になるR-1ヨーグルトを牛乳パックに入れていきます。牛乳1000mlに対し種菌になるプレーンヨーグルト50~75mlが目安です。付属の計量カップ使ったり、残りを保存するのも面倒なので全部入れました。

投入し終わったらヨーグルトスプーンでまぜまぜ。

牛乳パックのあけぐちをクリップなどで留めます。クリップは洗濯ばさみとかなんでもいいですが、事務用クリップがあったのでそれを使いました。

ヨーグルトファクトリーに入れてスイッチオン。デフォルトでカスピ海モードになるので忘れずにプレーンを選択します。8時間でオートオフになりますが、お知らせブザーとかはありません。

8時間経過。雑菌が繁殖して腐海のようになっていたらどうしようとか不安でしたが、こんな感じで簡単にヨーグルトできました。少し乳清(栄養が含まれている水分)が分離してますが。後はこのまま冷蔵庫に入れて冷やすだけです。

食べてみましたが、出来上がりは若干緩い感じかな。スプーンで取り出すとき結局は崩れて緩くなるので問題なし。味のほうもほとんど市販品と同じレベルでおいしいです。
一本全部食べて気づいたのは、少し緩い出来上がりは牛乳パックの上のほうだけで、下半分のほうはしっかりした感じに。本体下部が熱源なので温度差の関係でそうなるのか、牛乳を常温に戻さず冷たいまま作ってしまったことが要因かも。事前に牛乳を温めておいたほうがいいかもしれません。特に冬場は。
R-1ドリンクでヨーグルトで作ってみた

今度は「明治プロビオR-1ドリンクタイプ」と「セブンアンドアイの成分無調整牛乳」で作ってみました。

R-1を軽く振って全部投入。今回は口を全開にせず片方だけ開けました。注意点としては投入まえにヨーグルトの容量分の牛乳を取り除いておくことです。私はすっかりミスして口を閉じようとしたら溢れてしまいました。
投入し終わったらまぜるわけですが、ヨーグルトスプーンの熱湯消毒が面倒なので、あけぐちを手でしっかり持ってシェイクすることにしました。上下に振るより天と地を互い違いに揺するとシェイクしやすいです。上下に強く振ると口をしっかり持ってても多少漏れることもあります。
やはりかき混ぜたほうが確実ですが、同じようにシェイクされる方は、手がすべってぶち撒けないようにご注意ください。

今回は事務用クリップでなくスライド式のキャップを使ってみました。Amazonでヨーグルトファクリー買うとき関連表示されていましたが、100円ショップで探したらありました。使い方はパック口の開けない方にひっかけてスライド式で閉じます。

こんな感じで閉じることができますが、スライドのレール部分で閉じるため、密閉できるわけではありません。

8時間発酵後、冷蔵後でしばらく冷やして出来上がり。牛乳パックを持ってシェイクしただけなので、ちゃんと出来るかなと思ってましたが問題なし。熱湯消毒する道具がひとつもなく、楽でいいです。
ヨーグルトファクトリーの使い方
上記の作成過程だけでは分かりにくいと思うので、取扱説明書をもとに使い方をまとめました。
材料
- 成分無調整のパック牛乳(500ml・1000ml)
- 乳酸菌(市販のプレーンヨーグルトや専用種菌)
牛乳は成分無調整のものがオススメ。低脂肪牛乳でもできるようですが、酸っぱくなったり菌が弱くなったりするとのこと。また、低温殺菌や加工されているものではヨーグルトを作れません。牛乳パックに「種類別 牛乳」と記載されていればOK。
乳酸菌は市販ヨーグルトが種菌として使えます。こちらも無糖、無添加のものを選びます。もちろん専用種菌も使えます。
牛乳、ヨーグルトともに、新しいもの(特に牛乳は未開封のもの)を使うことが推奨されています。使用時には常温に戻して使います。
種菌の目安
牛乳の量 | プレーンヨーグルト | カスピ海ヨーグルト |
500ml | 25~30ml | 40~50ml |
1000ml | 50~75ml | 90~110ml |
出来上がり時間の目安
牛乳の量 | プレーンヨーグルト | カスピ海ヨーグルト |
500ml | 5~8時間 | 8~12時間 |
1000ml | 8~10時間 | 12~20時間 |
作り方
常温に戻した牛乳パックに種菌を適量入れてかき混ぜます。まぜるときは熱湯消毒したヨーグルトスプーンなどを用意します。作るときは牛乳に直接手を入れたりして雑菌が入らないように注意。
牛乳パックの口をクリップでとめて、あとは電源スイッチを入れて動作させるだけ。プレーンの場合、だいたい8時間で出来上がります。固まったら冷蔵庫に入れて冷やします。これだけ。
賞味期限は使用した牛乳と同じ程度とのこと。カスピ海ヨーグルトの場合は、1週間程度が目安だそうです。
設定温度
細かな温度設定はできません。取説によれば設定温度は「カスピ海モードは25℃」「プレーンモードは40℃」になります。通電中の本体温度はそれより3~5℃高くなるそうです。発酵に適した温度は、カスピ海だと27℃程度、プレーンだと40℃程度、R-1だと43℃程度なので、細かい温度設定ができなくてもだいたいカバーできるようです。
タイマー
ヨーグルトファクトリーには8時間オートオフ機能がついてます。タイマーは強制なうえ、時間設定もできません。継続して発酵させたい場合は電源スイッチを入れなおす必要があります。個人的には強制オートオフでも今のところ8時間でちゃんと出来上がるので不便ではないです。
ただし、カスピ海ヨーグルトの場合、上の表に示したとおり1000ml以上の牛乳で発酵させると8時間以上かかります。カスピ海メインだと少し面倒かもしれません。
カスピ海ヨーグルトをつくる場合
カスピ海ヨーグルトは常温でも発酵させることができます。なので、ヨーグルトメーカーは冬場の寒い時期に使います。ただし、カスピ海ヨーグルトの最適な発酵温度は27℃ぐらいのため、それほど寒くない季節でも、出来上がり時間を一定にするために使えると思います。
カスピ海ヨーグルトしか眼中にない方は、ヨーグルトファクトリーよりカスピくんのほうが1年中通して安定的につくれると思います。発酵温度を27℃に一定に保つことが可能で、発酵後の冷却機能もあります。そのぶん価格は高いですが。
ヨーグルト自作のコスト
市販品ヨーグルトとヨーグルト自作でどれぐらいコストが浮くのか調べてみました。前提は市販品ヨーグルト50ml分を種菌代にして、牛乳1000mlを200円とした場合です。
明治 プロビオR-1 | 明治 ブルガリアヨーグルト | フジッコ カスピ海ヨーグルト | フジッコ カスピ海ヨーグルト種菌セット | |
内容量 | 112ml | 450g | 400g | 3g×2包 |
価格(税込) | 136円 | 138円 | 278円 | 1146円 |
1L換算 | 1213円 | 306円 | 695円 | – |
1回目 | 261円 | 216円 | 266円 | 773円 |
2回目 | 230円 | 208円 | 233円 | 487円 |
3回目 | 220円 | 205円 | 222円 | 391円 |
4回目 | 215円 | 204円 | 216円 | 343円 |
5回目 | 212円 | 203円 | 213円 | 315円 |
30回目 | – | – | – | 219円 |
「明治プロビオR-1」は元が高いだけあって自作するとかなりコストが浮きますね。本当に培養できているのかは微妙ですが。「カスピ海ヨーグルト」も自作したほうがずっと安くなります。
さすがにスーパーで安売りしている「明治ブルガリアヨーグルト」だと自作しても1Lあたり90円安くなる程度。牛乳が安く手に入ったり、ヨーグルトを大量に消費するのであれば自作してもいいかもしれませんが。
植え継ぎした場合(自作ヨーグルトからさらに自作する)も計算してみましたが、市販品を種菌にする場合は、2回目以降は金額的にはほとんど差がなくなります。雑菌混入する可能性も高くなりますので市販品で植え継ぎする意味はあまりないですね。
「カスピ海ヨーグルト種菌セット」の場合は、逆に植え継ぎしないとコスト高。メーカーによれば1ヶ月の種菌交換が推奨されており、最大でも3ヶ月で交換になってます。30回程度自作するなら種菌セットで作っても、市販品から自作するのと遜色ないコストになります。種菌セットの場合、菌の質は市販品より確かでしょうから、質を取るかコストを取るかといったところ。
まとめ
ヨーグルトファクトリーを使うとヨーグルト自作は結構簡単にできました。安売りしているヨーグルトだとコストは多少浮くだけですが、R-1のような高価なヨーグルトなら使う意味はあります。
もっとも、製品レベルのR-1を培養・発酵できているかは確認できるわけではありません。
また、自作するメリットとして「多種類の乳酸菌をぶち込んで作るオリジナルヨーグルト」なんてことも試してみると面白いかもしれません。